意識の高い人を目指すブログ(仮)

アニメの感想とか(予定)

「やがて君になる」と「ハッピーシュガーライフ」-純粋でハートフルな物語-

「ハートフル」な「純愛モノ」


 最近発売された2つの作品がとても素晴らしかったので、放置していたブログを引っ張り出してきた。その作品は「やがて君になる」「ハッピーシュガーライフ」だ。

 前者は電撃大王で、後者はガンガンJOKERで連載されている。ジャンルは「百合」モノに分類されるだろう。

 

seiga.nicovideo.jp

 

ハッピーシュガーライフ - 連載作品 - ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-

 

 この2つの作品の共通点、それは「ハートフル」で「純愛」モノということだ
はじめに断っておくが多少、ネタバレを含んだレビューをするので、これから買う予定の有る方はご注意を。買う予定がなくても、素晴らしい作品だと思うので、こんな駄文を読んで寿命を浪費するよりも、ぜひコミックスを買って時間を有効活用して欲しい。

 

 

 

「やがて君になる」の主役は高校一年の小糸侑、そして生徒会の先輩である七海燈子の二人。物語冒頭、生徒会の見学に行った侑は燈子が告白さている場面に遭遇。
 そのことから彼女に興味を持ち始めるのだが、その理由は

 

f:id:stoaniota:20151025175041p:plain

 

「あーうんうんお高く止まったお嬢様なのね」とか「思春期かな?」と思うのは少し待って欲しい。(思春期なのはそうだけど)
 この言葉を聞いて侑は燈子に興味を持ち始めるのだが、それは彼女も同じことを思っていたからだ。侑も誰かに対して「特別な気持ち」を抱いたことがないのである。
 少女漫画やラブソングのキラキラした言葉に憧れ、恋い焦がれても、自分はその感情に触れることができない。そんな悩みを理解してもらえるかもしれない。だから燈子に興味をいだいたのだ。

 まぁ、しかしこの先輩。だれとも付き合うつもりはない、好きと言われてドキドキしたことないのなんて宣っていたのに

 

f:id:stoaniota:20151025175713p:plain

 


ちょろい(断言)


 「だれとも付き合うつもりはない」と言ってから約30ページ後にはもうこれである。どうして燈子はこうも簡単に落ちてしまったのかはぜひ1巻を読んで、自分の目で確かめていただきたい。1巻でもその理由の断片は読み取れるが、深い理由は彼女の過去と合わせて今後明らかにされていくようだ。


燈子だけではなく侑の方も一癖ある人物のようで、記念写真を取る場面で

f:id:stoaniota:20151025180243p:plain

 


 このようにしれっと手を繋いで、燈子を動揺させるのである。侑、恐ろしい子・・・!

理由はちゃんと別にあるので念のため)

そして、やっぱり動揺する先輩ちょろいっすな。

 侑の方は冷静というか、わりとサバサバしており不思議な雰囲気を醸し出している。先輩の方はというと侑以外の人の前では成績優秀、眉目秀麗、運動もできてなんでも完璧にこなす超人、でも侑の前ではものすごく無防備に。二人の関係性がこの作品の魅力ですね。


 さて。この二人が急接近した理由に「特別な気持ち」を理解できない者同士だったから、というのがある。前述したように「あー思春期なのね」で流してもいい気はするが、私はこの二人を見て別なことを考えていた。

「そういえば、セクシャルマイノリティの中には性的欲求がない人たちいたよなー」と。
 私は別にジェンダー論とか先行していたわけではないので詳しく語ることはできない。そこはご容赦願いたい。概論くらいしか取ってなかったので、ウィキペディア先生にお願いしましょう

 

無性愛 - Wikipedia


 無性欲とか、性嫌悪とも違う、また恋愛感情を伴う場合もある(アロマンチック・アセクシャル/ロマンチック・アセクシャル)とか面白いし興味深いんだが話がそれるのでこれ以上は踏み込まないでおく、
 侑と燈子、特に侑はこれに該当するんじゃないかなーと読んでいて思った。

f:id:stoaniota:20151025182110p:plain

f:id:stoaniota:20151025182104p:plain

 

 この作品がそういうセクシュアリティを意識しているかはわからないし、おそらくそういう方向性では行かないとは思うのだけども。でも、この作品の重要なテーマに「特別な気持ちを理解したい」というのがあるのは間違いないだろう。そこがこの作品の独自性というか、差別化ポイントかなと思う。


好き嫌いでもなく、恋愛や付き合うということでもなく「特別な気持ち」とはなんだろう?

 

そんな純粋なことを思う少女達。
どこかぎこちない二人の距離感が生みだす物語はハートフル(heartful)な作品と言えるだろう。

 

 まぁ、でもそんな固っ苦しいこと抜きに、この二人が可愛いんですよ。ビジュアルもそうですが、ふたりとも少し不思議な距離感の関係性、その感じがまた良いのです。ちなみに、1巻で私が一番好きだったのがこのシーン

 

 

f:id:stoaniota:20151025180700p:plain

 

控えめに言って最高って感じだな?
尊過ぎて目が潰れますね?
百合が好きなら買おう?

買ってこの作品を支えましょう

 

 掲載誌が電撃大王とのことなので、読者層的に支持されるかわからないし、出来る限りのことはしておきたい。この雑誌を買ってる人はアンケート出そうな?
 好きな作品をただ消費しているだけでは、自分の好きな作品は守れないとここ最近強く感じるようになったので、いちファンとして応援していきたい。

 

 


さて。
 純粋でハートフルな物語ということで、もう一つ紹介したい作品がある。
それはガンガンJOKERで連載されている「ハッピーシュガーライフ」という作品。

f:id:stoaniota:20151025181215p:plain

 1話が公式サイトで無料公開さている。こんな場末の糞ブログを読む時間があれば、まず読んでいただきたい。

 

この作品の概要としては
高校生の松坂さとうが愛する神戸しおちゃんと甘くて幸せな生活をおくるために奮闘するという「ハートフル」な物語。
生きていくというのは大変だ。生活費を稼がなくてはならない。自宅警備員のぼくには関係ない

 

 

 

 しおちゃんとの素敵な生活のためさとうは毎日頑張ります。

f:id:stoaniota:20151025185645p:plain

 

 

一生懸命働くものしおちゃんのため

 

f:id:stoaniota:20151025185700p:plain

 


しおちゃんのために「お部屋の掃除」も頑張っちゃいます。

 

f:id:stoaniota:20151025185837p:plain

 

 

 

 

ん?
なにか変なところがありましたかね(すっとぼけ
私は嘘は嫌いなのでちゃんと最初に言いました。
「純粋で(嘘ではない)ハートフル(hurtful)な物語」だと。
綴が違う?そんなの知らない。


 愛がちょっと純粋すぎてやり過ぎちゃうこともあるけど、それも若さゆえの、そして可愛い女の子の特権だね☆(ゝω・)v
 まぁ、そんな感じの作品です。
 私は純粋なハートフル作品であるといったが、公式のジャンルは「サイコホラー」らしい。

見解の相違ですね。まぁ、表紙からして

 

f:id:stoaniota:20151025190006j:plain

 

 


これです。
この作品、何も知らない状態で1話を見て欲しいなーと思っていたけど、表紙からしてこれなら別にいいかなって。
ちなみに裏表紙はこれ

 

 

f:id:stoaniota:20151025190108j:plain

 

 

 

 

 


うん、何も問題ないな!
 この作品が更に問題、ではなく素晴らしいのが、さとう以外に純粋な愛に満ち満ちた人物がたくさん出ているというところだ。ちょっと愛が歪んでいる気もするが、そんなことは些末事である。

 

 

f:id:stoaniota:20151025190151p:plain


自分の愛の王国を維持するために未成年(男)に手を出しちゃったBBAとか

 

 

f:id:stoaniota:20151025190228p:plain


妻子持ちなのにスリルを求めて多くの教え子に手を出しちゃう愛にあふれた教師とか

 

f:id:stoaniota:20151025190330p:plain

 


先述したBBAに性的暴行+監禁されてBBA大人の女性がダメになり、新たな愛に目覚めた少年など

 

 


いやー愛にあふれた作品ですね!
 ただ、勘違いしてほしくないのはサイコな野郎どものバーゲンセールなだけではないと点。どの人物も歪んで純粋な愛が表現されているのが素晴らしいのである。可愛らしいタッチで描かれているのも、異常な愛情をより一層輝かせている。


愛情が純粋なのは善なのか?歪んだ愛は悪なのか?エゴだからいけないのか?

 

愛情表現について色々と考えることができると思う。
そもそも、人間の愛というのは最初からエゴがあるものだし、歪んでいるものとも言える。無償の愛というのは人間にはむりなのだから。
「叛逆の物語」はここ数年で一番面白いアニメ作品だと思うのでぜひ見よう。


話がそれた。
「やがて君になる」も「ハッピーシュガーライフ」もとても素晴らしい作品だと思う。
特に百合というジャンルが好きならぜひ読もう。

このレビューが誰かの購入を後押しすることができれば幸いである。